本サービスは
2017年7月28日をもって
終了いたしました
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Analog Jukeboxとは?
厳選されたアナログレコード作品の貴重なオリジナル盤から、丁寧にデジタル録音した音源をストリーミングで聴く。プレミア価格の入手困難盤を含む、クラシックとジャズの名作たち。愛好家がマニアックに楽しむのはもちろんのこと、初心者でもAnalog Jukeboxがあれば気軽にマスターピースの醍醐味を味わえます。自宅のテレビにインテル® Compute Stickを挿し込み、リビングルームで寛ぎながら、歴史的な名演をお愉しみください。
※Analog Jukeboxは、「Analog Jukeboxプロダクトキー付き インテル® Compute Stick」をお買い上げの方のみご利用いただけるサービスです。今回販売するインテル® Compute Stickには、低消費電力ながら高解像度動画の再生も十分に処理できるインテル® Atom™プロセッサーを搭載した製品(STK1AW32SC)と、Atom™以上のパワーをもつモバイル向けのインテル® Core™Mプロセッサーを搭載した製品(STK2M3W64CC)があります。
※本サービスは2016年7月28日から2017年7月28日までの予定でございます。
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Analog Jukeboxプロダクトキー付き
インテル® Compute Stick STK1AW32SC¥29,000(税抜)
販売終了致しました※内容、配信、ダウンロードは予告なく変更及び終了する場合がありますのでご了承ください。
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Analog Jukeboxプロダクトキー付き
インテル® Compute Stick STK2M3W64CC¥69,000(税抜)
販売終了致しました※内容、配信、ダウンロードは予告なく変更及び終了する場合がありますのでご了承ください。
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音源紹介
Analog Jukeboxがお届けするのは、半世紀以上を経た今でも語り継がれる名盤ばかり。
歴史的音源をお持ちの方なら誰でも、古いアナログ盤を安定して再生するのは至難の業だということをご存知でしょう。初めて古いレコードに触れる方なら、そもそも良い音で再生を楽しむことすら難しい筈です。
Analog Jukeboxの音源は、力強さと繊細さを併せ持ったアナログ盤本来の音をお楽しみいただくために、良質なカートリッジとターンテーブル、フォノイコライザー、ADコンバーターを用いて録音しました。低周波定電圧電源を用いた理想的なAC電源環境により、ターンテーブルの安定した回転や録音装置のノイズ対策にも配慮しています。
また、音質的バランスを考慮して、録音レベルとヘッドルームには特に注意を払っています。もちろん音源の鮮度を損なわないように、デジタル領域でのノイズ処理は最低限に留めました。
また、レコード盤特有のスクラッチノイズや背景ノイズを出来る限り低減するために、盤のクリーニングも欠かせません。それでも、空気中の僅かな埃がノイズの原因になることは避けられないため、納得のいく録音ができるまで何度でも録り直しを行いました。
しかし何よりも肝心なことは、他の何物にも代え難い魅力と価値を持つオリジナル盤の、それもコンディションの良いものを厳選したことです。
…以上は、こだわる人にとって当たり前のことかもしれません。その「当たり前」の音を、ご堪能ください。
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Top Trumpets
Jimmy Deuchar/Dizzy Reece
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Top Trumpets
Jimmy Deuchar/Dizzy Reece
英TEMPO RECORDSの稀少盤。片面にジミー・デューカー・セクステット、他方にはディジー・リース・カルテットを収録。
ザ・ジャズ・クーリエのロニー・スコットとタビー・ヘイズとともに英国モダンジャズを代表するトランペッターに数えられるジミー・デューカー。対するは、ジャマイカ生まれのディジー・リース。どちらのバンドにも、レニー・ブッシュがベースで参加していることや、デューカーのセクステットにトニー・クロンビー、リースのカルテットにロニー・スコットとテリー・シャノンが参加していることなど、同年にリリースされた"Jazz at the Flamingo(TAP5)"と共通点が多く、緊密かつ活発に各自が活躍していたことがわかります。なおシャノンは、デューカー、ブッシュ、クロンビーとカルテットで1955年に録音をしてもいます。
演奏者が近しいとはいえ、デューカーたちの4曲と、リースたちの4曲は驚くほど対極的に聞こえます。凛々しいほど端正で明るいデューカー・セクステット(とりわけ"Colne Springs")、そして何処か生々しく湿っぽさのあるリースのカルテット(とりわけ"How Deep in The Ocean")。同時期に、ほぼおなじ場所でここまで対照的な音源が生まれコンパイルされている面白さを味わってください。
Jimmy Deuchar Sextet:Jimmy Deuchar - trumpet, Ken Wray - trombone, Derek Humble - alto,baritone saxophone, Stan Tracey - piano, Marty Paich - piano, Lennie Bush - bass, Tony Crombie - drums, Dizzy Reece Quartet:Dizzy Reece - trumpet, Ronnie Scott - tenor saxophone, Terry Shannon - piano, Lennie Bush - bass, Phil Seamen - drums, 品番:tap4
リリース:1956年
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BLOWIN´THE BLUES AWAY
Horace Silver
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BLOWIN´THE BLUES AWAY
Horace Silver
ファンキーピアノといえばホレス・シルヴァー。そしてホレス・シルヴァーといえば本作、というほどの代表作。
1曲めの"Blowin' the Blues Away"は冒頭からハイテンション。「憂鬱をぶっ飛ばせ」という意味(もしくは「ブルーズを吹き飛ばせ」)のタイトルからも伺えるとおり、漲る気力と逸る気持ちに衝き動かされ、居ても立ってもいられない!という演奏者達の息吹が詰まっています。早回しのような演奏で当時のジャズの空気が蘇ります。そんななかにあって、"Peace"や"Melancholy Mood"は穏やかな雰囲気で印象的。スローテンポで気怠げでありながら、骨太な力強さは失っていない。
名曲「Sister Sadie」も収録された、いわゆる名盤中の名盤であり、廉価版CDも含め何度も再発されてきました。そういった他音源と敢えて聴き比べ、オリジナル盤の良さを堪能してみるのも一興でしょう。
Horace Silver - piano, Blue Mitchell - trumpet, Junior Cook - tenor saxophone, Gene Taylor - bass, Louis Hayes - drums, 品番:BLP4017, リリース:1959年
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Jazz At The Flamingo
Ronnie Scott ,Tubby Hayes, Harry Klein, Terry Shannon, Lennie Bush, Tony Crombie
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Jazz At The Flamingo
Ronnie Scott ,Tubby Hayes, Harry Klein, Terry Shannon, Lennie Bush, Tony Crombie
イギリスのインディーズレーベルTEMPO RECORDSからリリースされた稀少盤。1956年、ロンドンの名門ジャズ・クラブ“Flamingo Club”で行われたライブ録音です。
ほぼ全員が当時20代という若者らしい清冽な演奏。若いとはいえ、いずれ劣らぬ英ジャズ界を代表するキラ星のような才能で、控えめな素振りでいながら凛とした存在感をそれぞれ放っているのはふてぶてしいほど。
彼らは誰なのか?ザ・ジャズ・クーリエを結成する直前のロニー・スコットとタビー・ヘイズ、テリー・シャノン。のちにスコットとともにビートルズの曲でサックスを吹き込むハリー・クライン("White Album"でもスタジオ・ミュージシャンとして2曲参加)、スコットやヘイズとともに演奏することの多かったレニー・ブッシュ、そしてトニー・クロンビーです(本作が録音されたのと同じ1956年に「Tony Crombie & His Rockets」というR&Rバンドを結成し、ヒットも生み出しました。当時のイギリス音楽界におけるロックとジャズの現場の近さを思わせますね)。
才能が集まれば良い演奏ができる、というものではありませんが、彼らが良い演奏をすればそれは途轍もないものになる。本作はまさにそれを記録した、歴史的な録音と言っていいでしょう。
Ronnie Scott - tenor saxophone, Tubby Hayes - tenor saxophone, Harry Klein - baritone saxophone, Terry Shannon - piano, Lennie Bush - bass, Tony Crombie - drums, 品番:tap5, リリース:1956年
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Buhaina'S Delight
Art Blakey & the Jazz Messengers
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Buhaina'S Delight
Art Blakey & the Jazz Messengers
いわゆる「三管」時代の布陣のジャズ・メッセンジャーズによる1961年の録音、名盤『Mosaic』と同時期の演奏です。
ファンキー・ジャズのバンドとして人気を得たジャズ・メッセンジャーズが、よりモダンな方向性を打ち出し始めた作品。音楽監督ウェイン・ショーターの存在感がさらに増し、バンド全体に力強さを残しつつも、都市的な洗練を深めています。「鈴の音」と称されたシダー・ウォルトンが奏でる夢のように美しい音色も実に印象深い。
ジャケットの紫煙に巻かれるかのごとき"Contemplation"の美麗な余韻が醒めやらぬまま、御大アート・ブレイキーのパンチの効いたドラムを前面に押し出したモダンな表題曲へと突撃するくだりがハイライトでしょう。時代の変遷の中で、ハードバップとモーダル・ジャズがまるで火花を散らしてぶつかり合う、そんな刺激的な一枚です。
Freddie Hubbard - trumpet, Curtis Fuller - trombone, Wayne Shorter - tenor saxophone, Cedar Walton - piano, Jymie Merritt - bass, Art Blakey - drums, 品番:BLP4104, リリース:1963年
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Blues Walk
Lou Donaldson
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Blues Walk
Lou Donaldson
ルー・ドナルドソンの代表作のひとつであるばかりでなく、Blue Noteきっての名盤として著名な一枚。時代とともにスタイルを変遷させてきたドナルドソンが、ブルース・ジャズよりの方向性を強く打ち出し始めた時期の作品です。編成は1957年の前作『Swing and Soul』と同じワンホーンカルテット+コンガ。
気怠さと諦念に似た軽やかさを同居させ、悲しみながら戯けてみせるような独特のアンニュイな雰囲気を、盟友ハーマン・フォスターと醸し出しています。
貫禄すら感じさせる名曲"Blues Walk"の飄々とした佇まいからはもちろん、"Move"のような速いテンポの楽曲からも、スタジオにゆったりとした空気が漂っているのを聴き取れます。レイ・バレットによる絶妙なコンガも聴きどころ。
録音は1958年7月28日。"Autumn Nocturne"なんて曲も収録されていますが、むしろ夏の夕暮れ時のように切なさと楽しさが綯い交ぜになった響きをご堪能いただけるでしょう。
Lou Donaldson - alto saxophone, Herman Foster - piano, Peck Morrison - bass, Dave Bailey - drums, Ray Barretto - conga, 品番:BLP1593, リリース:1958年
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Just Us
Roy Haynes Trio
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Just Us
Roy Haynes Trio
名ドラマー、ロイ・ヘインズの隠れた名盤です。すぐれたトリオのすべてに該当する話ではありますが、たった3人しか演奏者がいないとは信じがたいほど豊穣な音響は絶品で、緊張と弛緩が寄せては返す、実に味わい深い1枚。
2曲めのスタンダードナンバー"Con Alma"で、曲名のとおり「落ち着いて」穏やかにメロウに始まった演奏が、開始後すぐさまヒリヒリするほどの緊張を地味に帯びていくのが実にスリリング。
ヘインズに特徴的な、忙しなく煽り立てるプレイスタイルも随所で聴くことができます。タイトに締まった演奏に、様々な方向に爆散しそうなパワーが凝縮されている感じをお楽しみください。
Roy Haynes - drums, Richard Wyands - piano, Eddie De Haas - bass, 品番:NJLP 8245, リリース:1960年
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Shades Of Redd
Freddie Redd Quintet
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Shades Of Redd
Freddie Redd Quintet
1曲めの"The Thespian"から、とろけるような雰囲気が全開。ジャッキー・マクリーンとティナ・ブルックスの2人による、どこかしらルーズな響きが絡み合い、空気中にゆらゆらと漂い出るような競演が美しい。決して技巧を楽しむ作品ではないので、濃厚な哀愁のフレイバーと楽曲の良さを堪能してください。
本作のリーダーであるフレディー・レッドは、麻薬とジャズをテーマにした演劇の劇中音楽を手掛け、自らも俳優として関わりました。そのときの"The Music From The Connection"と1960年録音の本作だけを残し、いつのまにか姿を消してしまった人物ですが、その最盛期の煌めきを何度でも楽しめるのは、録音を残してくれたからにほかなりません。あたかも時代の徒花として咲いて消えたような、儚い存在感もまた、一面では非常にジャズ的なのかも知れません。
Freddie Redd - piano, Jackie McLean - alto saxophone, Tina Brooks - tenor saxophone, Paul Chambers - bass, Louis Hayes - drums, 品番:BLP 4045, 録音:1960年8月13日, リリース:1961年
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5by monk by5
Thelonious Monk
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5by monk by5
Thelonious Monk
セロニアス・モンクの5つの楽曲を、本人を含む5人の奏者が演奏するので「5 by monk by 5」というタイトル。5人とは、ドラムに名手アート・テイラー、ベースにサム・ジョーンズ、テナーはモンクとの競演が多いチャーリー・ラウズ、そして端正な演奏に定評のあるサド・ジョーンズがコルネットを吹いています。
録音されたのは1959年。モンクならではの独特の個性的な響きは健在ではあるものの、全体的に他のモンク作品と比べるとどこかしら大人しく聴きやすい印象。とはいえ、テイラーのドラムには苛立つような攻撃性が漂い、サム・ジョーンズのベースは活き活きとした表情を見せ、ラウズは切迫した響きを奏でており、何よりサド・ジョーンズの演奏が壮絶。
「飄々と」と言うにはあまりにも変幻自在なモンクの演奏に対し、サドは持ち前の流麗なフレージングを思うように発揮できず、ペースを崩されているように聞こえます。しかしそれではただの失敗作。各演奏者のバランスは、失調寸前まで解体されかかるのですが、ギリギリで崩壊しない、絶妙なまとまり具合に落ち着く。そんな危機感が、控えめな雰囲気のなか随所に感じられる、とてもスリリングな内容です。同年に、マイルス・デイヴィスがビル・エヴァンスを迎えて名盤『カインド・オブ・ブルー』をリリースしているので、ジャズの変革期の傑作として聴き比べてみるのも一興です。
Thelonious Monk - piano, Thad Jones - cornet, Sam Jones - bass, Charlie Rouse - tenor saxophone, Art Taylor - drums, 品番:RLP 12-305, 録音:June 1, 1959 - June 2, 1959, リリース:1959年
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Fontessa
The Modern Jazz Quartet
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Fontessa
The Modern Jazz Quartet
モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)は、ジャズとクラシックを融合させ、どこまでもクールに仕上げることを身上にしています。
仕立ての良いスーツとシルクのネクタイに身を包み、すました素振りで舞台に立つ。音楽監督のジョン・ルイス(ピアノ)による計算された戦略的な演出。その室内楽的な気取りが、演奏されているうちに、いかにもジャズ的な高揚感の盛り上がりによって覆されそうになる。どこまでもクールにという戦略性と、それでも盛り上がってしまう演奏者の気質。
この相反するふたつの要素の綱引き、そのダイナミズムを聴くことこそ、MJQが私たちに与えてくれる最大の面白みでしょう。"Django"、"Concorde"という代表作に続いて発表された本作は、彼らのキャリアのなかでもとりわけこのダイナミズムを発揮している1枚。ルイスの上品すぎるほどに上品なピアノと、ミルト・ジャクソンによる渋みの効いたヴィブラフォンとが、見事な対照を聴かせてくれます。
John Lewis - piano, Milt Jackson - vibraphone, Percy Heath - double bass, Connie Kay - drums, 品番:ATLANTIC 1231, 録音:January 22, 1956 & February 14, 1956, リリース:1956年
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The Cat Walk
Donald Byrd
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The Cat Walk
Donald Byrd
1961年に録音された作品。楽曲のほとんどを作曲したデューク・ピアソンの洒脱なピアノと、柔和な味わいのあるドナルド・バードのトランペットが、まさにタイトルどおり猫の歩みのように軽快な響きを楽しませてくれます。
バードとペッパー・アダムスの双頭コンボの録音の中では最善という評価もある本作。ゴージャスにめかしこんだバードと、まるでその相棒のように頼もしいアダムスが、街の小路を闊歩する様が目に浮かぶ一枚です。
Donald Byrd - trumpet, Pepper Adams - baritone saxophone, Duke Pearson - piano, Laymon Jackson - bass, Philly Joe Jones - drums, 品番:BLP4075, 録音:May 2, 1961, リリース:1962年
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New Jazz Conceptions
Bill Evans
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New Jazz Conceptions
Bill Evans
1956年に録音された、ビル・エヴァンスのリーダーアルバムとしては記念すべき第1作。この2年後となる1958年にはマイルス・デイヴィスのバンドのメンバーとして録音とツアーに参加しています。
「ビル・エヴァンス・トリオ」というと1959年の"Portrait in Jazz"に始まる通称「リバーサイド四部作」のスコット・ラファロが有名ですが、本作もリバーサイドからリリースされていてドラマーはポール・モチアン。こちらでベースを弾いているテディー・コティックも数々の名作に関わった手練です。
本作に収録されているクルト・ヴァイル作曲の"Speak Low"はスタンダードナンバーとして、様々なプレイヤーによって演奏されていますが、ロイ・ヘインズ・トリオの"Just Us"収録のバージョンと聴き比べると興味深い。またラファロとのトリオで録音したアルバムのタイトルチューンになる"Waltz for Debby"は本作に収録されているピアノソロでの短い録音が最初期のもの。アルバム"Waltz for Debby"にはもうひとつ、エヴァンスの十八番"My Romance"も収録されていますが、本作にもこの曲のピアノソロ演奏が収録されており、切なく作品を締め括っています。
Bill Evans - Piano, Teddy Kotick - Bass, Paul Motian - Drums, 品番:RLP12-223, 録音:September 18 and 27, 1956, リリース:1957年
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Ludwig van Beethoven Symphony No.3 "Eroica"
Wilhelm Furtwangler
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Ludwig van Beethoven Symphony No.3 "Eroica"
Wilhelm Furtwangler
いわゆる「ウラニアのエロイカ」。第二次大戦中のドイツ第三帝国でフルトヴェングラーが指揮をした伝説的な名演です。ベートーヴェン自身がもっとも自信を持っていたという交響曲第三番の、フルトヴェングラー指揮のなかでは最高という演奏。
この演奏が録音されたのは1944年。翼1945年にヒトラーは自殺し第三帝国は敗戦するわけですが、ナチ党に批判的だったフルトヴェングラーはどのような気持ちでこの曲を振ったのでしょうか。
ウィーン・フィルらしい豪奢な響きと、フルトヴェングラーならではの強い意思を帯びた指揮によって、かつて情熱的な作曲家が抱いた英雄へのきわめて深い共感と希望や憧れが見事に表現されています。勇壮、繊細、強靭、明朗、「英雄」という存在のあり方について、思いつく限りの修辞が、この演奏のとこかに必ず当て嵌まり、様々な英雄の姿を、聴く者の脳裏に提示してくれます。
指揮者:Wilhelm Furtwangler, オーケストラ:Vienna Philharmonic Orchestra, 品番:URLP 7095, リリース:1953年
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Ludwig van Beethoven Symphony No.7
Wilhelm Furtwangler
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Ludwig van Beethoven Symphony No.7
Wilhelm Furtwangler
フルトヴェングラーの真価を発揮させる曲と言われるベートーヴェンの"第七交響曲"を、ウィーン・フィルが演奏した1枚。数あるフルトヴェングラーの録音の中でも最高のもののひとつに数えられる傑作です。
楽曲も、様々な映画やドラマで印象的な使われ方をされおり、楽聖ベートーヴェンの数多の名曲の中でも知名度の高い作品だと言えるでしょう。
第1楽章から素晴らしい勢いで駆け抜けますが、ひとまずの聞きどころはウィーン・フィルならではの円熟味あふれる第2楽章。ワーグナーが「不滅のアレグレット」と評し愛したのも納得です。そして迫力たっぷりでありながらも実に優雅な第3楽章を経て、緻密に構成されながら熱狂を存分に帯びて疾走する第4楽章へ。第4楽章のテンションは、これがスタジオ録音であることを忘れさせてくれるライブ感があります。
快い速度と、強烈な躍動を味わうなら是非この一枚をどうぞ。
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー, オーケストラ:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, 品番:FALP 115, 録音:1950年1月25日・30日・31日, リリース:1950年
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Ludwig van Beethoven Symphony No.9 "Choral"
Wilhelm Furtwangler
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Ludwig van Beethoven Symphony No.9 "Choral"
Wilhelm Furtwangler
「フルトヴェングラー全録音の中でも随一の名演」と言われる1951年バイロイト音楽祭でのライヴ録音。20世紀を代表する名指揮者の最高の演奏ということで、レコードもCDも繰り返しリリースされていますが、今回はその中で特に貴重で良質な内容と評価されている盤からデジタル化しています。
バイロイト音楽祭は、第二次大戦のため1944年を最後に中断されていました。本作は、この祝祭が再開されるという記念すべき日に例外的に演奏された非ワーグナー作品の録音。ベートーヴェンの"第九"はワーグナー自身がバイロイト劇場の柿落としの際に自ら指揮したという曰くある楽曲。この演奏には、ナチス体制に利用されかけながらもユダヤ人擁護のために亡命を余儀なくされていたフルトヴェングラー自身をはじめ、世界大戦を生きのびた人々がヨーロッパ復興のさなかで演奏している、という重い背景があります。
実際の演奏の方は、静謐さすら感じさせる第3楽章までと、まさに迸るように爆裂する第4楽章の対比が強烈。抑制されたそれまでの演奏から、構造が崩壊しかねないほど凄まじい慄きへの展開は圧倒的な感動を誘います。
歴史的な経緯による思い入れのために、この演奏を名演とするのは過大評価ではないかと訝しむ傾向も確かにあります。では、果たしてこれが世紀の名演なのか否か。それは是非この音源を聴いてお確かめください。
指揮者:Wilhelm FURTWANGLER, オーケストラ:The ORCHESTRA AND CHORUS of the 1951 BAYREUTH FESTIVAL, ソプラノ:Elisabeth Schwarzkopf, アルト:Elisabeth Hongen, テノール:Hans Hopf, バス:Otto Edelmann, 品番:ASD 286 & ASD 287, 録音:29-Jul-1951, リリース:1955年
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Ludwig van Beethoven Sonate no 8 "Pathétique", Sonate no 14"Clair de lune"
Aline van Barentzen
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Ludwig van Beethoven Sonate no 8 "Pathétique", Sonate no 14"Clair de lune"
Aline van Barentzen
アリーヌ・イザベル・ヴァン・バレンツェンは、19世紀末に生まれたピアニスト。情感が剥き出しになったような繊細な演奏が持ち味です。
本作は、そんなバレンツェンがベートーヴェンの極めてロマン主義的で情緒過多とも言える楽曲を弾くというもの。「情感たっぷり」などというありきたりな表現では到底表現しきれないほどの表現に、深く深く感情が揺さぶられます。ひとり夜道を彷徨していて、ふと月光が降り注いでいるのに気付いたときのような、無常感と孤独感そして不思議に穏やかな安堵。作曲家自身が言葉にせずに楽譜に託した情景を、ありありと現出させてみせる。
"月光"とは、作曲家の死後にそう呼ばれるようになった通称にすぎず、ベートーヴェン自身はピアノソナタ第14番には"幻想曲風ソナタ"という題名を与えていました。バレンツェンはいわば、この「幻想」と現世の境界を溶解させるのです。
ピアノ:ALINE VAN BARENTZEN, 品番:フランスVSM FBLP 1032
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Josef Anton Bruckner Symphony No. 7
Wilhelm Furtwangler
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Josef Anton Bruckner Symphony No. 7
Wilhelm Furtwangler
ワーグナーを敬愛していたブルックナーが、その最期に寄り添うようにして書いた第七交響曲(ワーグナーの死の約半年後に全曲の総譜が完成)。毀誉褒貶激しかった当時のブルックナーの作品の中で、初演が成功したことでも有名です。
フルトヴェングラーは、20歳のときのデビューに際してブルックナーの第九交響曲を選んだことに始まり、その初期のキャリアにおいて今ほど高く評価されていなかったブルックナー作品を繰り返しプログラムに組み込み、のちにドイツ・ブルックナー協会の総裁に就任するほど、この作曲家を愛しました。そのフルトヴェングラーによるブルックナーの第七です。
清流をくだりながら豊かで瑞々しい風景を眺めるような第一楽章が、なんといっても素晴らしい。確実な不安をちりばめられながらも、まるで生きる喜びが凝縮されているようです。フルトヴェングラーはブルックナーの音楽を評して「力強く素朴なものと高い精神性の混交」と表現していますが、この録音を聞けば、まさにそのようなものとしてブルックナーの音楽を受け止めることができるのではないでしょうか。
第二楽章は、ワーグナーの死の予感とともに書き進められたと言われています。どこまでも優しい、痛切な哀しみと慈愛に満ちた演奏。牧歌的で多幸感すら呼び起こす第一楽章に続いて奏でられる第二楽章は、哀切と慈しみによって構築された「荘厳」そのものです。
第三楽章と第四楽章の音楽的な躍動は、この生きる歓びと荘厳な哀切を音楽的な作品という統一体へと昇華させるブルックナーの「挑戦」と、フルトヴェングラーによるその「完成」として評価できるでしょう。
指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー, オーケストラ:ベルリンpo, 品番:仏VSM RECORDNO:FALP 852-3, 録音:Recorded in Berlin, October 18 1949, Gemeindehaus-Berlin Dahlem (mixed by Furtwangler)
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Kodály Zoltán Sonata for Unaccompanied Cello
Janos Starker
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Kodály Zoltán Sonata for Unaccompanied Cello
Janos Starker
まるで、チェロの胴体の真っ只中に入って演奏を聴いているかのような見事な生々しさ。楽器の鳴りからは、木目や木材の香りが、弦の響きからは、演奏者シュタルケルの張り詰めた表情や激しい体躯の運動が、感じられます。
弱冠11歳でデビューするほど早熟だった天才チェロ奏者ヤノス・シュタルケルは、同郷のハンガリー出身の作曲家コダーイによるこの楽曲"無伴奏チェロソナタ"の演奏でその名を広く知られています。超絶技巧の応酬によって、チェロという楽器の豊かな可能性を引き出しているこの名曲の録音によって、シュタルケルは国際的な名声を確固たるものにしました。
単なる技巧のひけらかしではなく、ともすれば見世物的になってしまう様々な奏法を、説得力をもって使い分け演奏しています。いま聴いても驚愕するしかない演奏、そして半世紀以上を経ているとは到底信じがたいほどに生命感あふれる音響を、ご自身の耳で確かめてみてください。
JANOS STARKER - cello, 品番:Period Records SPLP 510
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Marcelle Meyer joue Mozart
Marcelle Meyer
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Marcelle Meyer joue Mozart
Marcelle Meyer
かのエリック・サティやフランス6人組とも交友をもったというピアニスト、マルセル・メイエルによるモーツァルト"ピアノ協奏曲第20番ニ短調"と"ピアノ協奏曲23番イ長調"の演奏。
熱情の昂ぶりと嘆き悲しむような悲壮感を帯びた、モーツァルトらしい華麗なオーケストラを伴奏に、繊細で可憐なメイエルのピアノがこれ以上ないほど映えます。指揮者のモーリス・エウィットも素晴らしい。適度な重厚感、きっちりとした緊張感を伴奏が担ってこそ、軽やかで華麗なピアノが活きているのでしょう。最高に美味しい紅茶と、お茶菓子を用意してお楽しみください。
Marcelle Meyer, piano, Maurice Hewitt, direction, 品番:DF 37, 録音:1953年, リリース:1954年
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RAVEL BARTOK DEBUSSY
Arthur Grumiaux, Paul Ulanowsky
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RAVEL BARTOK DEBUSSY
Arthur Grumiaux, Paul Ulanowsky
ラヴェル、バルトーク、ドビュッシーという3人の作曲家の楽曲の演奏を収めた、きわめて楽しい1枚。ヴァイオリンはアルテュール・グリュミオー、ピアノはパウル・ウラノフスキー。
1曲めは、ジプシーやロマと呼ばれる人々の音楽をモチーフに作曲されたラヴェル"ツィガーヌ"。この盤でのグリュミオーらの演奏は、異国情緒というよりも、とにかくはちきれんばかりに快活、という印象。
続いてバルトークの"ルーマニア民俗舞曲"。きわめて美しい小曲集。活き活きとしたグリュミオーのヴァイオリンの響き、控えめなウラノフスキーのピアノの伴奏が、どこかしら物悲しい民俗調の楽曲に実によく馴染んでいる。バルトークらしい、古びれない魅力が非常に強烈な実感を伴って表現された演奏だと言えるでしょう。
そしてドビュッシーのソナタ第3番(ヴァイオリン・ソナタ)。ドビュッシーの最晩年の作品であり、いわゆる遺作となるソナタ。同じくドビュッシーの"ハバネラ形式の小品"は、キューバ発祥でスペインに持ち込まれた舞曲のジャンルであるハバネラをモチーフにした作品。
どの曲も、音楽の新しさや楽しさに実直素朴に向き合う快活さが心地よく、踊りだしたくなる一枚です。
Arthur GRUMIAUX - Violin, Paul ULANOWSKY - Piano, 品番:BOSTON B203
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Franz Peter Schubert Sonata for Cello and Piano "Arpeggione"
Enrico Mainardi
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Franz Peter Schubert Sonata for Cello and Piano "Arpeggione"
Enrico Mainardi
本作は、イタリアのチェロ奏者エンリコ・マイナルディとグイド・アルベルト・ボルチーニが、シューベルト"アルペジオーネ・ソナタ"を弾いた一枚。
"アルペジオーネ・ソナタ"は、19世紀に発明され、現代では廃れてしまった楽器「アルペジオーネ」のための楽曲。アルペジオーネは、チェロのように低音を奏でることができる、チェロよりさらに小ぶりの六弦楽器。
マイナルディたちの演奏は、過ぎ去った「時」を、途切れ途切れの記憶の断片から再構築して慈しむ、きわめてセンチメンタルなもの。他方で、再構築された過去はやがて活き活きと蘇り、感傷的な空気を払拭し完全な復活を遂げ、新しい生命を謳歌する。「メランコリックな慰撫」と「生命の讃歌」という、一見相反するふたつが実は背中合わせであるということを、聞き手に強い印象ととも理解させる演奏です。
Enrico Mainardi - cello, Guido Alberto Borciani - piano, 品番:DGG 16043 LP TULIP
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Peter Ilyich Tchaikovsky Concerto pour violon et Orchestre
Michele Auclair
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Peter Ilyich Tchaikovsky Concerto pour violon et Orchestre
Michele Auclair
1940年代後半から1960年代にかけて活躍し、30代で引退したパリのヴァイオリニスト、ミシェル・オークレールが残した録音のひとつ。20世紀前半に活躍し、カザルス三重奏団の一角を占めたティボーの愛弟子であり、繊細さと優美さ、そしてしなやかな強靭さを併せ持つオークレールの演奏をこころゆくまで堪能できる一枚です。
伴奏のオーケストラはインスブルック交響楽団。オーストリア共和国チロル州の州都インスブルックの楽団で、本作で指揮棒をふるっているロベルト・ワーグナーは1960年代初頭、この楽団の主席指揮者でした。インスブルックはウィンタースポーツで有名な土地であり、本作が録音されたあと、1976年にはオリンピックの開催地になっています。
このインスブルック交響楽団による重厚な伴奏を得てオークレールのヴァイオリンは、可憐でありながら驚くほど活き活きとした色彩感を聴かせてくれます。本作は、4大ヴァイオリン協奏曲のうちメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を収録しているのですが、なかでもかつてハンスリックが「悪臭」と評したチャイコフスキーの濃厚な「民族調」のニュアンスを、見事な「芳香」として昇華したと言えるでしょう。
M.Auclair - vn, R.Wagner - con, Orchestre Symphonique D'Innsbruck, 品番:philips 836901DSY
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Us Three
Horace Parlan
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TRUE BLUE
TINA BROOKS
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OPEN SESAME
FREDDIE HUBBARD
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jennie
JENNIE SMITH
-
make love to me
JULIE LONDON
-
MILES DAVIS VOL.1
Miles Davis
-
MILES DAVIS VOL.2
Miles Davis
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MILT JACKSON
MILT JACKSON
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Jutta Hipp with Zoot Sims
Jutta Hipp
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AFRO-CUBAN
Kenny Dorham
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Hank Mobley Quintet
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